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2020年9月、店主のかずこさんがお亡くなりになりました。
今シーズンのあんこう鍋の時期にあわせて、今年初めにうかがった際の訪問記をポストしようと思った矢先の出来事でした。
かずこさんのご冥福と訪問時の感謝の意を込めつつ、「おすすめのお店」として記事をシェアさせていただきます。
かずこさん、ありがとうございました。
以下、お店訪問時の記事になります。
毎年1月の最終日曜日に開催される勝田マラソン参加にあわせて、ランニング仲間と1泊2日の水戸旅行をすることが、ここ7、8年の恒例行事となっています。
走り終えた後は常宿としているホテルテラスザガーデン水戸の大浴場にて疲れた体を癒し、再び集合した後に向かうのは夕食時。
毎年水戸や大洗周辺の異なったお店で打ち上げをかねてあんこう鍋をいただきます。
そして今回ぜひともあなたにも行っていただきたいお店に出会いましたので紹介いたします。
おかえりの味小料理かずこ 店舗概要(閉店)
住所:茨城県水戸市南町1-2-10
水戸駅北口を走る国道50号を道なりに北西に歩き、中央郵便局前を過ぎてひとつめの左手のわき道を折れ、80mほど歩くと目的のお店はあります。
下の写真はわき道に入ってすぐのところから撮影した一枚です。
この先に小料理かずこはあります。
かずこのメニュー実食レビュー
実はかずこに行くのはぼくたちランニング仲間にとっては2年越しの夢でした。
というのも前回(2019年1月)も予約はしたものの、店主・かずこさんの体調不良でキャンセルになってしまったのです。
それから1年後、そういったエピソードもまじえつつ再度電話で予約をさせていただいたところ、ぼくのことも憶えていただけていたみたいで、快く予約を受け付けていただきました。
そして入店。
たしかに事前に調べていた通りの外観、内観でした。
が、今回ぼくたちが案内していただけるところはこことは別の場所にある「はなれ」のようなのです。
というのもお店の方は10名を超える団体さんの予約がはいっていたから。
しかし、このお店に到着する前にそういった「はなれ」のような雰囲気をかもしだすような場所はなかったなあと思いながら、わき道を大通りに戻る途中にあるマンションの7階に案内していただきました。
ぼくたちを案内してくださったお手伝いの妙齢のお姉さん曰く、そこはかずこさんがお住いのお部屋のリビングとのこと!
ぼくたち一同「まじか!」と顔を見合わせました。
いや、決して拒否感とかではないんですよ。
そういうのが「あり」なんだ!という、まったく想像だにしていなかった展開にただただびっくりしちゃったんですよ。
そしてドキドキしながら奥のリビングへ入るとこんな感じでした!
うわっ!
ほんとに家じゃん!
煮物などあんこう鍋以外のものがすでに配膳されている状態でぼくたちを待っていてくれたみたいです。
しかもお客はぼくたちのみ!
完全に親戚のお宅でご飯をいただく体のような格好です。
ぼくたちも料理をいただく前からこのおもてなし感にいたくいたく感動し、興奮冷めやらぬ感じでした。
先程の彼女からここのシステムをうかがうと、ビールは冷蔵庫に入っているから自由に飲んでよく、日本酒と焼酎はどちらも部屋にある1升瓶を、とのこと。
ソフトドリンクはペットボトルの烏龍茶をまるごといただけました。
なんとも豪快ですね!
とまれ、ビールで乾杯です!
そして濃いめの味付けの鶏そぼろがかかった大根煮やさつま揚げにをいただきつつ、打ち上げを始めました。
どちらの煮ものもしっかりとした味付けで、マラソン後で塩分を欲している身体にはとても身に沁みておいしかったです。
そしてお刺身。
サーモン、カンパチ、マグロ中トロの3点盛りです。
こちらを水戸の酒辛口一品であわせていると、ほどなくあん肝が到着です!
このあん肝、ちょっとおかしくないですか?!
めちゃくちゃ分厚いんですよ!
4枚切りの厚切り食パンくらいはあろうかという、ボリュームのあるあん肝をポン酢で2切れずついただくだけでもなかなかおなか一杯になってきます。
でもまだあんこう鍋は来ていません。
どうやらお店の方でただいま仕込み中とのこと。
その間リビングのTVを見たり、今日の大会を振り返ったりしていると、もう本当に自宅でくつろいでいる気分です。
店主のご自宅なので写真掲載は控えさせていただきますが、テレビと対面にあるソファでまったりしながら待っていたりもしました。笑
そうこうしていると仕込み終わったあんこう鍋が到着!
さきほどのあん肝もそうだったのですが、鍋も半端なく量があります!
しかもメイン具材のあんこうもどっさりで、とても食べ応えのある鍋です。
指示通り、煮立ったらまずはスープだけをいただくと、豪快な鍋の見栄えからは程遠いみそ仕立ての上品なだし汁です。
これ、ほんとにうまい!
滋味深い味というのはこういったことをいうのでしょうね。
2杯3杯と飲んじゃいました。
しばらくして鍋自体もできあがり、早速あんこうもいただきます!
あんこう以外にも具沢山で、人参、大根、白菜、しいたけ、しめじ、えのき、春雨、豆腐など鍋いっぱいにこれでもかとありました。
そして極めつけはあん肝がたくさん入っていたこと。
そう、この鍋はどぶ汁だったのです!
最初、スープだけをいただいたときは普通のみそ仕立ての「どぶ汁風」かな、と思ったのですが、実は「風」ではなく、がちがちのどぶ汁でした!
というのも煮立った鍋をラーメン二郎のように一度天地返しした際、鍋底の方から味噌に溶かれたであろうあん肝があとからあとから出てきました!
どぶ汁をいただけるだけでもうれしいのに、それをこんなに豪快にいただけるなんてほんと感激です。
あんこうの身ももちろんプリプリしており、あんこうは骨以外のすべてを食べられることをあらためて体験できました。
とくに印象的な部位は皮目にあたるところ。
弾力が強く、明らかに新鮮でコラーゲンが豊富なことがうかがい知れます。
そんなこんなであんこう鍋も食べつくし、お腹もはちきれんばかりなったところで会もお開き。
とてもとてもどぶ汁のように濃厚で満足のいく3時間でした。
まとめ
店主のご自宅のリビングルームであんこう鍋コースをいただくという、予想外の展開だったのですが、相席客もおらず、ぼくたちのグループだけだったのでゆっくりとおいしくいただけてとてもよかったです。
いや、この展開がクセになりそうですね。笑
ちなみにこれだけ食べて飲んでひとり税込み5,000円!
もう、他の店には行けなくなっちゃいます。
ということでまた来年も「おかえりの味」を食べに水戸へ帰りたいと思っていたのですが、もうそれが叶うことはありません。
思い出の中で「おかえりの味」を反芻させていただきます。
かずこさん、ありがとうございました。